千葉、佐倉市にあるDIC川村記念美術館。足掛け2年にわたり開催されているコレクション展の3回目。
今回は、”コレクションは語る”と題して、アート作品と言葉の関係がテーマ。
作品を説明するキャプションについての裏話、ルノワールの長ったらしい名前を巡る小さなエピソードなど、普段の美術館ではお目にかからない、裏事情なども紹介されていた。
不思議の国のアリスをテーマにしたコーナーでは、アリスのストーリーが壁に書かれ、そのシーンに関連する収蔵作品を展示する、という凝った構成。
普段は、あまり展示される機会のない、ゾンネンシュターンの作品。色鉛筆で描かれた、グロテスクな漫画のような作品だが、何故か心に残る。
クルト・シュヴィッタースの小さな石膏の作品。無題という名前の後に、()の中に、切り取られ卵、開いた花、などの、その形状を表す副題がついている。
いずれも、みるからに何でもない作品で、子供が作ったように見える。
この美術館は、ジョセフ・コーネルのコレクションで知られる。普段は、数点の作品しか展示されていないが、今回は、他にも何点かの作品が展示されていた。
アンドレ・ブルトンの写真をもとにした作品。コーネルと言えば、木箱の作品が多いが、これは木箱には入っていない。ブルトンに対する、コーネルの特別な思いが、よく表れている。
明治から昭和にかけて活躍した、山口長男の作品が、まとまって展示されていた。
山口長男は、東京芸術大学で、小磯良平らと同期。その後渡仏し、佐伯祐三らと交流した。帰国後は、具体の吉原治良らと活動を友にして、前衛的な作品を発表した。
展示された作品は、油絵が8点と、いくつかの水彩画と陶器の作品。いずれも、前衛というよりは、シンプルで、日本の水墨画などの禅の影響を受けた作品のように見える。
5 Rooms 彫刻/オブジェ/立体(川村記念美術館)
色彩のラプソディー(DIC川村記念美術館)
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