2014年5月31日土曜日
医は仁術(国立科学博物館)
”医は仁術”という言葉をキーワードに、江戸時代以降の日本の医療の歴史をたどる展覧会。
何よりも驚かされたのは、江戸時代に行われた、解剖の様子を描いた図の数々。実にリアルに、解剖の様子、取り出された臓器、などが、色鮮やかに描かれている。
華岡雪舟の妻で有名な、華岡雪舟による、日本で最初と言われる外科手術の記録。老女の乳がんを摘出する手術の様子、摘出された腫瘍の様子が、まるで動植物を観察するような視点で、冷静に物として描かれている。
江戸時代に作られた、電気を発生させるエレキテル。平賀源内が作った物ではないが、同じ原理の物を、江戸幕府に関係する役人が作ったとのこと。
江戸時代の人々の、技術力と好奇心が詰まっているようだ。
こちらは、ヨーロッパからもたらされた顕微鏡をもとに作られた模倣品。木で出来ているところが、和の感じがする。
長崎経由で、オランダからもたらされた西洋の最新の技術情報は、江戸時代の日本の姿を、徐々に変化させていった。
そうした、西洋の新しい技術や知識とは別に。当時の庶民の間では、いわゆる民間療法が広まっていた。
現代においても、何かを食べると体にいいとか、ふとももをもむと体にいいとか、同じようなことが言われ、多くの人が実践している。
時代が変わっても、健康に暮らしたいという人々の気持ちに、変わりはない。
どうやら、江戸時代、という言葉から想像するものと、実際の当時の様子には、おおきなギャップがあるように感じられた。
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