2014年11月29日土曜日

夢見るフランス絵画(Bunkamuraザ・ミュージアム)


初めは、この展覧会には、あまり多くを期待してはいなかった。

会場に出かける前に、パンフレットや、ホームページを見ていたが、そこでは、ルノワール、モネ、セザンヌ、デュフィ、モディリアーニらの作品が紹介されていた。

印象派とエコール・ド・パリの画家たちの作品。そうした展覧会は、いたるところで開催されており、やや見飽きた感がある。

しかも今回は、すべて国内のコレクターの所有する作品だということで、それも、期待を下げる理由にもなっていた。

ところが、やっぱり行ってみないとわからない。この展覧会では、ブラマンンクの風景画と花の静物画に魅せられてしまった。

雪の道、嵐のあとの村、赤い屋根のある風景という3つのブラマンクの風景画。

パレットからナイフで絵の具をそのままキャンバスに叩きつけるように置いたようなタッチで描かれている。

いずれの景色も、人を暖かく迎え入れるような雰囲気ではない。入れるものなら入ってみろ、といわんばかりに、よそ者を威嚇しているようだ。

ルイ・フィリップ様式の花瓶、という花を描いた作品。こちらも荒々しいたちで美しい色合いの花々が描かれている。

ブラマンクは、美しい花びらを、絵の具という物に完全に置き換えてしまっている。

他に心に残った作品としては、藤田嗣治の北那覇。藤田が、1938年に沖縄を訪れた先に描かれた作品。

モンマルトルにいたころに描いていたのとは、全く違った、いわゆるごく普通の西洋絵画で、藤田という画家の、別な側面を垣間見た気がした。

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