2014年8月24日日曜日
茶道具以外が勢ぞろい(畠山記念館)
白金台の住宅街の中にある、畠山記念館を初めて訪れた。
この記念館では、荏原製作所を興した畠山一清の茶道具などのコレクションを展示している。
今年は、開会50周年を記念して、特別展が季節ごとに企画され、私が訪れた時は、この展覧会の題名にある通り、茶道具以外の主要なコレクションが展示された。
入口の門をくぐると、立派な日本庭園が表れる。ここは、もとは、明治の貴族、寺島宗則伯爵邸だったという。
奥にある鉄筋の建物が展示場で、展示品は2階に展示されていた。
展示品は、およそ30点ほど。それほど多くないが、その分、ひとつひとつの作品を、ゆっくりと味わうことができる。
加賀前田家に伝わった、能面と能装束。畠山一清は、能登の出身で、自らも能楽を習っていた。
能面は2面。桃山時代の万媚、江戸時代の小面。万媚とは、小面と同じ女性だが、より色気のある女性を表している。
2つ並んでいるので、その違いを実感できる。万媚の面の方が、目が少し大きく、唇も厚く、確かに、色っぽさを感じる。
江戸時代、能楽は将軍の前で演じられる、幕府の公式な芸能だった。各地の大名も、それぞれが地元にお抱えの能楽師を抱えていた。
中国の陶器は、唐三彩の美人俑、とぐろを巻いた龍が描かれた明時代の天球瓶など。
唐時代の皿の図柄には、八つの雲が描かれた印象的な文様があり、まるで、出雲大社の八雲を連想させた。
柴田是真の手になる華麗な印籠箪笥と、その中に納められた、印籠の数々。印籠には、様々な意匠を凝らした根付けが付いている。
中でも、愛くるしい仔犬、コウモリなどが特に印象的だった。
鎌倉時代の法華経絵巻の断簡。法華経の内容を、素朴ながら色鮮やかな絵と、内容を仮名交じりの言葉で、わかりやすく解説している。
法華経と言えば、漢字の経典は見慣れていたが、このような仮名交じりのものは初めて目にしたので、とても新鮮だった。
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