2014年6月28日土曜日

デュフィ展(Bunkamuraザ・ミュージアム)


デュフィの作品は、エコール・ド・パリに関する展覧会があると、必ず、何点かを目にする馴染みの画家。

しかし、その作品をまとまってみる機会は、あまりない。

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで行われた展覧会では、そのデュフィの多彩な世界を味わうことが出来た。

デュフィの作品は、人物や風景を描く輪郭線と、そこに置かれる絵具が、ずれていることがよくある。

前々から、デュフィが、どのようにしてこの描き方にたどり着いたのか、不思議に思っていた。

デュフィは、ファッション・デザイナーのポール・ポワレのために、多くのテキスタイル用のデザインを行った。

テキスタイルの世界では、時に、輪郭線と色とがずれている。おそらく、デュフィは、そこから、絵画で、わざとずらして描くアイデアを生み出したのだろう。

会場には、デュフィがデザインした、多くのシルク・プリントが展示されていた。

1937年のパリ万博のために描かれた、電気の精、という作品。縦は1メートル、横は5メートルほどもあるだろうか。

絵の真ん中に発電所、両側には、電気の発明、発展に関わった人々の姿、そして、電気によって明るく、華やかになった都市の様子、などが描かれている。

一見すると、中国や日本の絵巻物のようにも見える。他にも、パリの風景を、西洋風の屏風に描いた、作品もあった。

デュフィは、キャンバスという形式にはとらわれず、様々な作品を残している。会場に展示された、木版画、陶芸、イスなどの家具に、デュフィの色鮮やかな世界が、展開されている。

デュフィは、画家というより、デザイナーといった方が、いいのかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿