人物を描いた、日本画を中心とした、山種美術館の展覧会。
展覧会の題名にあるように、男性像と、女性像が、それぞれ分かれての展示。
男は、ほとんどが、日本武尊、菅原道真、紀貫之、楠木正成など、いずれも、歴史上の人物を描いたものが多い。
描いた橋本雅邦、菊池契月らは、無論、本人をモデルに描いた訳ではなく、別なモデルを使ったか、想像を膨らませて描いたのだろう。
女は、逆に、ほとんどが、歴史上の有名な人物ではなく、現実のモデルそのものを描いている。
男には、見てくれではなく、社会的な力が要求され、女には、美しさだけが求められる、という社会の現実を、如実にそうした絵画が表していて、実に興味深かった。
作品では、正統的な美人画の伊東深水、上村松園。個性的な女性を描く、森田廣平、片岡珠子。その対比が、面白い。
17世紀、江戸時代に描かれた、輪踊り図。作者はわかっていない。色鮮やかな、小袖などの着物を着た男女が、輪になって、踊りを踊っている。
小さな作品ながら、江戸時代の華やかな雰囲気を伝える、印象深い作品だった。
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