2014年6月21日土曜日

ジャン・フォートリエ展(東京ステーションギャラリー)


東京ステーションギャラリーで開催された、ジャン・フォートリエ展。

フォートリエは、1898年にパリで生まれたが、10才の時にロンドンに移住し、ロイヤル・アカデミーなどで絵を学んだ。ターナーが好きだったという。

展示されていた初期の風景画、静物画などは、しかし、ターナーというよりは、セザンヌ風だった。

第2次大戦が始まったあとは、パリに戻り、暗い色の陰鬱な作品を描いていた。パリ解放後、フォートリエの代表作となる、人質シリーズを発表する。

その1つ、人質の頭部、という作品は、文字通り、人の頭のような物が、厚くぬりたくった絵具で表現されている。

鼻を表しているような縦の線もあるが、日本の屏風絵に描かれる、抽象的な月のようにも見えて、そのイメージが興味深い。

フォートリエは、”アンフォルメルの画家”、として知られているが、本人は、そう言われることを、あまり好まなかったという。

晩年は、画風はもっとシンプルになり、画面の真ん中に、青や緑などの、基調となる絵具をおいて、その上から、細い線を描くような、そんな感じの絵が多かった。

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