2014年6月14日土曜日
フランスの印象派の陶磁器(パナソニック汐留ミュージアム)
印象派の展覧会は、度々、開催されるが、印象派の陶器、というのは実に珍しい。
アートの世界では、どうしても、絵画、彫刻が、陶器も含めた工芸作品よりも、より高尚なものであるとされる。
しかし、この展覧会で目にする事が出来た、実に多彩な陶器の数々は、十分に、豊かな時間を私に届けてくれた。
日本の浮世絵に描かれているような、鶏、車海老、魚、草花など作品を、白地の陶器に描いた、フェリックス・ブラックモンは、第1回の印象派展に絵を出展した銅板画家でもあった。
陶磁器に絵を描いた画家達は、おそらく、画家や版画家としてだけでは成果が出来ず、こうした陶磁器にも絵を描いたのだろう。
中には、花々が色鮮やかに描かれた壷に、とっての代わりとして、二人の子供が彫刻のように、ぶら下がっている、微笑ましい作品もある。
日本や中国にも絵皿はあるが、ゴッホやゴーギャンのような、色鮮やかな絵画が描かれた大きな絵皿は、全く違った印象を受ける。
皿としては、美しいが、この上に食べ物をのせても、あまり美味しそうには見えないのではないか。
日本の絵皿は、食べ物が乗って、それが食べる人の前に出された時に、最も美しく見えるように考えられているが、こちらの皿は、皿そのものの美しさを追求している。
陶磁器だけだと、飽きがくると感じたのだろうか、会場の所々には、ルノワール、モネ、シスレーなどの絵画作品が展示されていたが、これほど多くの色鮮やかな陶磁器の前では、完全に負けていた。
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