2014年4月13日日曜日

洋画家たちの青春 白馬会から光風会へ(東京ステーションギャラリー)

昨年、リニューアルした東京駅には、休日となると、相変わらず大勢の人が押しかけ、新しい駅舎の前で記念撮影をしている。

その東京駅の中にある、東京ステーションギャラリーで、日本の西洋画の代表的な団体である光風会をテーマにした展覧会が開催された。

明治の洋画画壇を牽引した黒田清輝、久米桂一郎らによって、1896年に白馬会が結成され、フランスの印象派の流れを汲んだ、光と空気感を表現する技法を日本に普及させた。

1907年に、文展が開始され、その役目を終えたと考えた黒田らはその白馬会を解散したが、黒田の弟子達、三宅克己、中澤弘光、山本森之助、小林鍾吉、岡野栄、跡見泰とデザイナーの杉浦非水は、文展とは別に、白馬会の後継団体として、1912年に光風会を結成した。

この光風会は、若手の洋画家達の登竜門として現在も活動しており、このたび記念すべき第100回展を開催する。

この展覧会では、光風会に関係する画家達の、若き日の作品を展示し、そうした光風会の100年以上にわたる歴史を概観する、という趣旨の内容だった。

最初の方に展示されていた、黒田清輝、久米桂一郎、藤島武二、などの一般にもよく知られている画家以降の作家は、あまり知らない画家達が多かった。

せいぜい、杉浦非水、児島虎次郎、内田巌、猪熊弦一郎、小磯良平、須田剋太あたりの名前を知っていた程度だった。

若い時の作品が多いので、どうしても、その時に学んでいた画家の画風に似た作品が多かった。明らかに、バルビゾン派、モネ、セザンヌ、ルノワール、ゴッホ、ジャコメッティなどを真似してる。

会場の最後には、白馬会と光風会を中心にして、日本の洋画団体の関連史がパネルで展示されていた。

このパネルは、この展覧会に展示されていたどの絵画作品よりも、興味深いものだった。

何よりも、団体の数の多さに驚かされる。どうして、これほど多くの団体が、生まれては、消えたり、分裂して行ったのだろうと、あきれてしまう。

画家ではない、門外漢の人間から見ると、思わずこう言いたくなった。

「ただ絵を描いているだけじゃ、どうしてだめなの?」

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