2014年3月15日土曜日
中国の陶芸展(五島美術館)
東京の都心から離れた、多摩川に近い、上野毛にある五島美術館。そこで開催された、館収蔵の中国の陶器と古鏡の展覧会。
第1展示室の陶器はおよそ60点。古くは戦国時代から、清時代にかけて、中国の陶器の歴史を概観でき、小規模ながら、その内容は充実していた。
戦国時代、紀元前4−3世紀にかけての、瓦胎黒漆の量と勺。漆が表面に塗られているせいで、ピカピカしており、とても、2000年以上も前の陶器とは思えない。
陶器に漆をかけているというには、実に珍しい。形状は素朴で、余計な部分は全くない。民藝の作品のようにも見える。
一般の民衆が使っていたのだろうか。ある程度、経済力のある人々が使っていたのだろうか。
唐時代の三彩万年壷。万年壷とは、形状が丸々としているものを言う。唐三彩だが、白地に青と緑の上薬が、線上に垂らされたように塗られている。
まるで、現代アートの李禹煥の作品を見ているよう。実に、美しい。
展示された陶器のうち、半分にあたる、およそ30点は、景徳鎮を中心とした明時代の作品。白地に青のシンプルな青花と、色鮮やかな五彩。
中国の陶磁器の最盛期のそうした作品は、日本はもとより、オスマントルコやヨーロッパなど、世界中に輸出された。すでに、その時代から、中国は世界の工場であったのだ。
第2展示室は、前漢から唐時代までの中国の古鏡のコレクション。
古代の日本は、中国の鏡に憧れ、それを大切にした。邪馬台国の卑弥呼が、魏の国から授かったという三角縁神獣鏡は、その象徴だ。
古鏡には、いずれも銘文が彫られている。そこには、鏡を作るきっかけになったことが書かれている。一族の手柄や、その繁栄を願って、といった内容が多い。鏡は、単に人の姿をそこに映すだけでなく、歴史を刻むものでもあった。
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