2014年9月21日日曜日
いま、台湾 台湾美術院の作家たち(松濤美術館)
今年、改修工事を終えて、久しぶりにオープンした松濤美術館。再オープンしてから、次々と魅力的な展覧会が開催されている。
台湾美術院は、2010年に、台湾の芸術家たちによって設立された、新しい美術団体。その台湾美術院の画家たちの作品を通じて、台湾美術のいまを概観する、という展覧会。
現代の台湾芸術には、中国の伝統的な水墨画や書などの芸術と、日本や西洋の芸術の影響が入り交じり、多彩な様相を呈している。
この展覧会でも、様々な様式で制作された作品が展示されて、まさに、台湾芸術の今を表しているようだった。
謝里法の進化論四篇。4つの画面に、同じ構図で、後方から見た牛の半身像が描かれている。構図は同じだが、描き方は、水墨画のような白黒、表現主義のような色合いなど様々。
特に、そのうちの一枚は、牛がまるで血まみれになっているように描かれていて、強烈なインパクトを見る者に与える。
傅申は、日本の東日本大震災のことを知って書いた、3つの書の作品を展示。篆字で書かれた、震、核、爆、などの字の、本来の形象文字としての性格がよく表れている。
あの事件が、映像以外の手段で、これほどのリアリティをもって表現できることに驚かされた。漢字、という文字の持つ力をまざまざと見せつけられた。
李振明の作品は、台湾の原住民族を題材にしている。幻想的な風景の中に、原住民族の土器や、鮮やかな飾りのついた帽子などが、印象的に描かれている。
特別出品として、ジュディ・オングの作品が何点か展示されていた。
いずれも木版画だが、そのうちのひとつは、雪の景色の中の銀閣寺を、木の枝の一本一本と、そこに積もる雪まで、丹念に細かく描いている。
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