日本橋の高島屋で開催された、芹沢銈介の作品と、芹沢が収集した世界中の民藝品に関するコレクション展。
芹沢は、若い頃、柳宗悦の本を読んでから、民藝運動に心を引かれ、柳らと活動する中で、沖縄の紅型に出会い、その鮮やかな色合いを、自分の作品に取り入れた。
文字をデザインして、着物やのれんなどに取り入れた芹沢の作品は、一度見ただけでも、強烈な印象を心に残す。
いろはにほへと、などの平仮名を中心に、子供のような遊び心で、文字を山や動物などの自然の形象と組み合わせて、不思議な文字を生み出していく。
何の説明もいらず、その作品だけを、いつまでも見ていても飽きのこない芹沢の作品は、デザインの本質を、よく表している。
芹沢が収集したという世界各地の民藝品の数々。
江戸時代の民衆が使った器、衣装など。アイヌの独特の文様の着物、沖縄の色鮮やかな紅型。
朝鮮の漢字をデフォルメした民画。パプアニューギニアの細長い仮面。小さな鏡や小物がぶら下がったコートジボワールの狩人の衣装。フィンランドの素朴な木製のイス。
芹沢は、そうした民藝品から、多くのインスピレーションを得ていたのだろう。
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