2014年2月15日土曜日

磯崎新 都市ソラリス(NTTインターコミュニケーションセンター)


東京、新宿のオペラシティー内にあるNTTインターコミュニケーションセンターで開催された、磯崎新の業績を紹介する展覧会。

都市ソラリスとは、磯崎が、未来の都市を考える上で、『惑星ソラリス』を参考にしていることに、由来している。

磯崎新は、会場となっているオペラシティーの全体の設計者でもある。NTTインターコミュニケーションセンターのオープニングの企画展も、磯崎新をテーマにした内容だった。

会場を入ったすぐ左に、大きな都市の模型があった。これは、現在進行中の中国における龍湖地区副CBDのオフィスビルデザイン案。水の海の周りを、ぐるりと個性的なビルが並んでいる。

そのプランには、伝統的な「二十四節気」に基づいた暦や時間がデザインに組み入れられている。

模型のすぐ近くの壁には、磯崎新が手がけた、中国各地のプロジェクトの写真、設計図などの資料が展示されていた。

磯崎新が、中国で多くのプロジェクトを企画、実施していたことに驚く。

残りの展示は、会場の右半分の壁側に沿って、磯崎の過去のプロジェクトや作品を展示。

ジャクソン・ポロックのアクション・ペインティング、ジョン・ケージのチャンス・オペレーションなどに刺激を受けて制作されたインスタレーション。

様々なインフラストラクチャーによって実現された、大阪万博のお祭り広場。観客の人の多さや、反応などをセンサーに読み取って、照明や環境設備がインタラクティブに反応する、という画期的な取り組みだった。

磯崎は、その万博での経験を元に、コンピュータによって制御された、コントロールシステムによって支えられる都市、”見えない都市”を構想する。

東京新都市庁舎のコンペ案、マカオ沖に建築する海市=ミラージュ・シティのプロジェクト計画。など。

この海市=ミラージュ・シティは、1994年から1996年の間に実施されたプロジェクトで、NTTインターコミュニケーションセンターのオープニング企画展のテーマになった。

展示自体は、ドキュメントや写真が中心で、決して派手ではない。しかし、磯崎新という建築家の活動領域の広さに圧倒された、印象深い内容の展覧会だった。

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